青森県津軽地方。人口4万弱が暮らすつがる市は、津軽富士と謳われる岩木山の麓にある。
つがる市では毎年お盆の時期に馬市まつりが行われ、夏の終わりをつげる。
変わらぬ日常、変わらぬ時間を過ごす修市(三上寛)にとって、
馬市まつりに妻の花枝(浜丘麻矢)が変わらぬ姿で還ってくるのもいつもの出来事。
高校時代に修市(若き修市役:石田法嗣)は、東京から津軽へ転校してきた。
その時、最初に優しく声をかけてくれたのが花枝で、後に生涯の伴侶となる。
修市と花枝は幸せだった。そんな二人に悲劇と喜劇が訪れる。
花枝が愛娘、千恵(小林あずさ)を出産し、この世を去った。
都会生まれの修市にとって、花枝が残した家と愛娘だけが、津軽をつなげる。
それから28年。花枝が残した千恵も、今では東京暮らし。今年も馬市まつりがやってくる。
例年、この時期はどの家も、親戚一同帰郷し、顔を揃え、お互いの無事を一喜一憂する。修市の家でも、母娘が揃う。
いつもと感じが違うのは、娘の千恵が東京から婚約者(天野浩成)をつれて帰省するという。
愛した妻、花枝は、もうこの世にはいない。妻が残したかった思いは、故郷に残したまま・・・。
母親を知らない千恵。修市は母親である、妻の花枝の代わりに「けの汁」で思いをつなぐ・・・。

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